賀正

寝ぼけたまま、私は私と手を繋ぐ。冷たくなった指先を布団の中で絡ませる。ぎこちなさと手首側に残っている熱が心地よく、私はまた沈みかける。母と妹とたこ焼きを作る夢を見た。水っぽい生地をこぼしてウールのスカートを汚した。猫を持ち上げていた。

一年前に食べられなかったいちごサンドを食べた。勝てる、と思った。何に?

勝てるかな。おみくじで示されていた避けるべき道を選びたくなる。引き取って、飲んでみて。わざと当ててみた視線と不安になろうとか。

その前に放っておいた仕事を片付ける。私の指はいつまでたっても子どものような丸みを帯びているから、骨を探し当てるようになぞる。地獄の本質が続くことだとして、天国の本質はどうだろうか。めまい。無理やり起きる朝に備えて、カップスープとロールパンを買った。