終末(砂 ver.)

こんな夢を見た。

地震が来ると知っている。インテリア雑貨のお店のような場所にいた。隣にいた友人を守るようにして伏せる。棚に並べられたグラスが鳴る。

目の前のドアを開けると砂浜だった。風が強くて砂が吹き込んでくる。風上にいるからか、伏せているからか、口の中にまで砂が入ってくる。気がつけばお店の床はどこまでも砂に覆われていた。

今度はひとりで廃れた植物園にいる。草木も枯れている。ここも砂まみれ。私は赤い(かつて赤かったと思われる)広葉樹の葉を集めていた。何のために? まるで何かの研究の為の採集かのように、熱心に探していた。見つけた葉を割れないように丁寧にノートに挟んでいた。

植物園に人の気配はなく、窓から見えた外も静かで、どこにも誰もいない気がした。季節がわからない。暗くは無かったけれど、明るくもなく、太陽光とも電灯とも無縁の不思議な色だった。