足元

こんな夢を見た。

食事に出かける前に彼と本屋へ寄ったらKさんがいた。ちらと目を合わせて挨拶する。私が店内を見ているあいだ、KさんとYさんが話している。なぜか母がカウンターにいた。私たちのことを詳しく聞いてきた。彼は「急いでいるので」と話を切り上げて、私を連れて本屋を出た。

彼は誰? あまり人が歩いていない街をふたりで歩く。彼はやんちゃにも知的な紳士にも思える人、服装も古着を着ていたのかスーツを着ていたのか忘れてしまったけれど、どちらにせよ違和感なく着こなしていた。もしかしたら場面によってまったくの別人だったのかもしれない。ちょっと歩くとすぐに田舎で、林の奥にラブホテルが見える。そのホテルを目指して、松の葉なんかが落ちている下り坂の道をふらふら歩いていたら急に雨が降ってきて、ずぶ濡れになった。

これ以上濡れないようにと駈込んだらそこはラブホテルというか混浴の銭湯だった。番台は無く、玄関が脱衣所、ガラス戸の向こうに横長の大きな浴槽がひとつ。かなり混雑している浴槽のはしにNさんを見つけた。彼は早々と脱いで入っていった。なぜか寂しくて仕方なかった。ストッキングがリノリウムの床を濡らしている。